カスミ・石山・森脇道弘
2003年8月11日 『柔らかな頬』 桐野夏生
ミステリかと思ったが、そうではないらしい。犯人が最後までわからず、それを示唆する手がかりもない。犯人が誰かという事は、この話においてそれほどウェイトを占めていないから良いのだろう。ただ、周囲の状況は、客観的に犯罪が不可能らしいという設定があったのが気になるが。
柔らかな・・・という題名だが、文章は鋭角な印象。ただ、女性っぽくない雰囲気の中でも、女性っぽさは拭いきれない。三角錐を見てる様な気分。下の方では柔らかいものがつまっているのかなと。
女性作家は不倫をよく題材に取り上げるような気がする。ただ、女性を「あなた」と呼ぶ男は女性の中だけにしかいないんじゃないかな。
主人公のカスミは、色んなものを捨てて捨てて、そのせい(かどうかはわからないわけだが)で娘を失った為に、更に夫ともう1人の娘を切り捨てる訳だが、読み方に深みが足りないといわれようと、客観的にはただのとんでもない女でしかない。そこが、彼女とこの話の魅力なわけだが。
行方不明の姉は、そこまでして探されるほど、また周囲からも認められるほど魅力的だったわけだが、その姉の下にいた妹が気になる。姉を失ったせいで母にも捨てられ、彼女だけは失ったものしかない。カスミは得たもの、失ったもの、色々とある訳だが・・・そんな妹の描写が全くないのが残念。
内海の死に対する感情はよく描けていて良かった。ただ、カスミと比べると、影が薄いのは仕方ないのか。
ミステリかと思ったが、そうではないらしい。犯人が最後までわからず、それを示唆する手がかりもない。犯人が誰かという事は、この話においてそれほどウェイトを占めていないから良いのだろう。ただ、周囲の状況は、客観的に犯罪が不可能らしいという設定があったのが気になるが。
柔らかな・・・という題名だが、文章は鋭角な印象。ただ、女性っぽくない雰囲気の中でも、女性っぽさは拭いきれない。三角錐を見てる様な気分。下の方では柔らかいものがつまっているのかなと。
女性作家は不倫をよく題材に取り上げるような気がする。ただ、女性を「あなた」と呼ぶ男は女性の中だけにしかいないんじゃないかな。
主人公のカスミは、色んなものを捨てて捨てて、そのせい(かどうかはわからないわけだが)で娘を失った為に、更に夫ともう1人の娘を切り捨てる訳だが、読み方に深みが足りないといわれようと、客観的にはただのとんでもない女でしかない。そこが、彼女とこの話の魅力なわけだが。
行方不明の姉は、そこまでして探されるほど、また周囲からも認められるほど魅力的だったわけだが、その姉の下にいた妹が気になる。姉を失ったせいで母にも捨てられ、彼女だけは失ったものしかない。カスミは得たもの、失ったもの、色々とある訳だが・・・そんな妹の描写が全くないのが残念。
内海の死に対する感情はよく描けていて良かった。ただ、カスミと比べると、影が薄いのは仕方ないのか。
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